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 ニット等の毛織物のヨーロッパでの簡単な歴史


中世のヨーロッパでのニット等の毛織物はどんな感じだったのか?その辺りを少し探ってみましょう。


ノルディック地方等のバルト海周辺ではこの地域独特のスノーフレークパターン(雪模様)等に代表される編み柄のニットをここ1〜2世紀の間に発展させてきました。 ノルディック地域のスカンジナビアの人々は単色、或いは2色のシンプルな色柄の毛糸を撚ってニットのセーターや靴下、帽子等を編み、東ヨーロッパやここで紹介してるエストニアがあるバルト諸国周辺では様々なカラフルな色を撚った毛糸を使用し独特の編み柄を編出しました。

その特徴的なバルト周辺地域に見られる模様には実はそこに暮らす編む女性達の色々な思いが込められていたのです。ここでちょっとヨーロッパでの毛織物等の歴史について触れてみると、羊毛は古くから使われてきた素材で、 古代やそれ以前の毛織物の断片がイギリス等で発見されていて、毛織物は家庭で自家消費用に古くから生産されていました。

またイギリスでは紀元後2、3 世紀に毛織物を大陸へ輸出していたり、8世紀頃にも羊毛の商品生産をしていました。 色々なものに利用されてきた羊毛の毛織物ですが、現代のニットと呼ばれる編む技法はそれまでの紡績技術と比べると実は比較的新しい技術で、 オックスフォード英語辞典によれば現代的意味のニットという英語で最も早い文学の中に出てくるニットは1530年です。

16世紀頃には金属加工の技術が向上した為毛織物はヨーロッパの主要産業にまで発展し、 羊毛から毛織物製品を作る技術も向上したイギリスでは海外貿易の3分の2がストッキング等の毛織物製品という規模の大きなものでした。 中世のヨーロッパで最も古い現存するニットの一つは13世紀のカスティリアン(現在のスペイン)王子と王女の墓から発見された二つのアラビア語が縫いこまれた美しいクッションで、 その他にも14〜5世紀にはイタリアやドイツの画家による聖母マリアが家庭でニットを編む様子が描かれていて、中世のヨーロッパでは編み物は女性の家庭での大事な仕事だったのです。

ニット等の毛織物工業が重要な産業として登場するのは中世の北イタリアとフランドル地方においてです。これらの地域の毛織物工業は都市工業として発達して、北イタリアではフィレンツェがその中心でした。 ここではアルテarteと呼ばれるギルド(中世ヨーロッパで技術と利益を守る為に発達した商工業者の同業組合)が組織され、羊毛をイギリスから輸入して高級毛織物を生産し,ベネチアの商人を通じて東地中海方面へ輸出していました。

その後産業として発展していったニット等の毛織物ですが、19世紀及び20世紀初頭頃にニットを編み生産する人々の創造性が開花し、各地で独自の編み柄などのニットが作られるようになり、 貿易を通じて縫い方や編んだ模様等が伝えられ、バルカン地方ではロープのようにねじった縫い方を編出し、 エストニアのバルト海周辺の人々は様々な色を撚った毛糸で作ったニットを発展させていったのです。

冬が長く厳しいスカンジナビア等北欧地域やバルト海周辺諸国等ではニット等の織物は欠かせないもので、元々これらのニットは屋外での作業に従事する漁師等の男達の為にそういった厳しい冬の寒さから体温を保ち、 体を保護する為のもので、当時のニットはとても硬く隙間無く編み込まれていて今の物と比べるととても重いのもでした。

それらのニットは機能的に暖かく丈夫なのはもちろんですが、 当時のニットはそれらのニットセーターを編んでいる女性達が、夫が無事に仕事から戻れるよう、そして事故に遭わないよう、子供たちは健康に育つよう、収穫に感謝し家族が幸せで入られるよう等の想いがその一編み一編みの模様に込められていました。

所がその様な素朴な人々の暮らしも2度の大きな戦争とソ連等による占領が人々の生活を変え、それまでの伝統の多くは失われていってしまいました。 幸いエストニアの伝統的な編み柄のニットは一部の人々に守られソ連時代も細々とその技術を次世代へ受け継がれ、1991年のエストニアの独立を境に色々な伝統的な文化活動が復活する中、 伝統的産業の中心的存在のエストニアのニットもヨーロッパや北欧等の国々に広まっていき、現在ボク達がこうして手に入れられる事が出来るようになりました。

今現在手に入るノルウェー製のニット製品やエストニア製のニット製品は中世の人々が着ていた防寒着として重要だった頃の編み方とは少し違います。 ニット製品を編む基本的な方法は当時と変わりませんが、氷点下の真冬の防寒着として使用されていたニット製品は毛糸同士をとてもきつく編み込み隙間無く編んでいたので、 とても硬くそして重かったのですが、それが防寒着としては重要な要素でした。現在エストニアをはじめ北欧諸国で作られているニット製品は防寒着としての役割から、 伝統文化を今に伝える大事な手工芸品の一つとして作られ、そして人々に愛用されている製品です。





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